夏・秋まき推奨品種カタログ

夏・秋まき推奨品種カタログ page 12/36

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夏・秋まき推奨品種カタログ

長ネギ現地レポート〈産地概要〉高品質高収益!!『宝山シリーズ』~千葉県山武市長谷川強志氏を訪ねて~マーケティング本部島崎聡山武市は千葉県の北東部に位置し、太平洋に面した温暖な気候を活かし、古くから首都近郊の野菜生産基地として発展してきた歴史がある。JA山武郡市の管内では、ネギ・ニンジン・トマト・キュウリ・スイカなどの野菜生産が行われており、特に葱部会は栽培面積196ha・生産者数435戸で構成され、販売高は18億円を超える千葉県内有数の一大産地を築いている。また2013年4月には「さんむ中央集出荷センター」を新設し、あわせて2つの大規模集出荷場から、京浜市場を中心にロットを生かした販売を展開している。〈「宝山シリーズ」試作経緯〉今回訪問した長谷川氏は、ご両親と3人で約1haの秋冬および春ネギと約20aのハウス夏ネギ栽培を行っており、地元農協や農業事務所と情報交換をしながら、積極的に新品種および試験品種の試作を行っている。2014年春に農協の勧めで、「夏の宝山」および「冬の宝山」の試作をしていただくこととなった。ほ場風景(夏の宝山)〈長谷川さんが栽培された感想〉「夏の宝山」に関しては、夏場にほ場をまわったところ、萎凋病による欠株が他の品種に比べ非常に少ないのが印象的であった。どうやら夏でも僅かながら動いてくれるので、安心して夏場を乗りきれる品種であるようだ。10月上旬に台風18号が上陸したが、葉が短く風による影響は少なかった。全自動ねぎ収穫機での掘り取り作業においても、根がからまずに株同士をほぐしやすかったため、問題はなかった。収穫物の揃いはとても良く、秀品率が高いことから収益性が高かった。収穫が遅れるとエリ割れが出やすいと聞いていたため気になっていたが、早めに収穫したので問題はなかった。また雨上がりの収穫では、柔らかく感じたため、取り扱いには気をつけた。「冬の宝山」に関しては、葉がやや長目なため、台風による影響があったが、曲がりは少なかった。年内まではやや細身であったが、1月末収穫では見た目よりは肥大しており、2L中心で良く揃い、くずも無いことから調整しやすい品種であると感じた。2LとLが1:1になるように太く作ることを心がけていることもあり、肥大性には満足している。ただし、収穫物のエリ部に若干砂が残ってしまっていたため、止め土の量を加減すると共に、じっくりほ場においておくのが良いと感じた。また、本年多くの品種で分けつが出ているなかで、「宝山シリーズ」には分けつが見られず、当地の環境にあっていると感じた。収穫中の長谷川強志氏<栽培概要>は種2014年4月1日・定植7月6から11日(プラグ苗・手植え・夏の宝山)調整中の長谷川氏のご両親元肥(kg/10a)イセグリーン鶏糞堆肥………………………………………300kg苦土石灰………………………………………………………140kgマルチサポート2号(総合微量要素)…………………………60kgMMB化成(12-16-12)………………………………40kg(定植時)追肥(kg/10a)1回目7月29日さんぶ葱スペシャル(有機配合10-12-8)…………………30kg2回目9月13日さんぶジシアン有機特(有機配合8-10-6)…………………40kg苦土重焼燐……………………………………40kgハイフミンハイブリッドG……………………45kg3回目9月27日さんぶジシアン有機特(有機配合8-10-6)…………………30kgけい酸カリ……………………………………30kg4回目10月12日さんぶジシアン有機特(有機配合8-10-6)…………………40kg5回目11月6日さんぶジシアン有機特(有機配合8-10-6)…………………50kg<取材を終えて>冬の宝山(左)※右は開発中の品種11月撮影夏の宝山、秀品率は極めて高い自作の土入れ棒を使って、台風後にネギを起こしてまわったとのことでしたが、台風の影響による曲がりなども見られずに見事なネギを作られたことは、日頃の管理作業の賜物であり、並々ならぬ栽培努力を感じ取りました。今回の結果を踏まえて、「宝山シリーズ」の産地普及に役立てていきたいと考えております。11