台丈夫

台丈夫

低温伸長性があり、後期草勢良好

品種の特性

  1. 発芽と発芽揃いがよく、育苗管理がしやすい。
  2. 発芽後、徒長しにくく、胚軸が太く接ぎ木操作がしやすい。
  3. 耐寒性が強く、低温期でのスイカのつるの伸びがよく、果実肥大期の後期草勢もよい。
  4. ユウガオのつる割れ病にたいしても、ボンドKに準じて強い。

栽培のポイント

発芽不良や揃いが悪い原因は、通気不良・温度のかけすぎ・天候不順(長期間の低温)によることが多い。
ユウガオは大粒種子で呼吸量がとても多く、通気が悪いと湿害を受け易い。有機質の豊富な通気の良い土を用意して乾湿の差が出来るだけでないように管理して発芽させる。
播種前の浸水は労力がかかり逆効果になるケースも多く、直接土に播種するのが良い。またたっぷり水をかけてビニールをベタ掛けするのを見かけるが、温度の上がり過ぎやの原因になるので避ける。
温度は日中は30℃位を目標にする。天気が悪くて日中も温度が低い日が続くと発芽が悪くなり易いので、天気が悪くても25℃位の温度を保てる苗床の能力が欲しい。
日中は温度を高めに管理するが、夜間あまり温度を上げすぎない様にする。特に通気の悪い状態で温度が高すぎると、必要以上に呼吸が増加して空気不足の弊害が出易くなる。日中温度がとれているようなら夜間は25℃程度を目標にするのが良い。
発芽が始まったら、早めに光線に当てること、土の中に潜っているうちから光線を当てて徒長しないようにする。また発芽に伴って空気中の温度が高いと早く発芽したものが伸びて揃いが悪くなりやすくなる。発芽が始まったら夜間は床温20~25℃、夜間の気温15~20℃が適当である。
発芽が揃ったら徐々に温度を下げて床温15~20℃で管理する。
接木後の台木の芽かきと苗ずらしを遅れないようにして健苗に育てる。
草勢は相生FMTに比べると着果前はややおとなしいが、生育中期~後期にかけては相生FMTに近い草勢になりやすい。ボンドKやFR相生に比べると生育全般を通して旺盛である。通常相生FMTに準じた施肥体系で、追肥で調整していくのがよい。
小玉系など草勢の旺盛になりやすいスイカに使用する場合は、苗の生育が旺盛になりやすいので、元肥を控えてやや大苗を定植していく。
ユウガオつる割れ病には実用上の耐病性があるが、土壌中の菌密度が高い場合には発病する場合もあるので菌密度を高めないよう他の耕種的防除法も合わせて総合的に土づくりをする。

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作型や品種特性は当社での試験結果に基づく一つの指標に過ぎず、栽培の成否を保証するものではありません。また、耐病性により病気の予防が必要なくなるわけではありません。